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じゃがいもの種芋を自給する|越冬から収穫までの1年【北海道】

葉はやられましたが、芋はしっかり太っていました。 小さな自給自足
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北海道に移住して3年目。畑でいちばん面積を使っているのが、じゃがいもです。

毎年作っているうちに、だんだん欲が出てきました。「種芋も、買わずに自分でつなげないかな」と。

今日、そのじゃがいもを収穫しました。この芋はまた越冬させて、一部を来年の種芋に使う予定です。

種芋の植え付けから収穫まで、およそ3ヶ月。そこにたどり着くまでの1年ぶんの記録を、ここにひとまとめにしておきます。

我が家の種芋事情:3品種のうち2品種は自家採種

今年育てたのは、きたあかり・メークイン・シャドークインの3品種です。

種芋の出どころは、それぞれ違います。

  • メークイン:昨年収穫した芋を冬越しさせて、状態のよいものを選別
  • シャドークイン:昨年の収穫時に、少しだけ種芋用に確保しておいたもの
  • きたあかり:ホームセンターで購入

きたあかりだけ買っているのには、理由があります。ホクホクでおいしすぎて、冬の間に家族で食べ切ってしまったんです。

種芋用に残しておくつもりが、気づけば在庫ゼロ。自給自足を目指す身としては反省点ですが、これも毎年の学びということで。

①冬越し中の芋が、もやし状態になっていた

スタートは、昨年収穫した芋の冬越しから。

北海道の冬は、外に置けば芋が凍ってしまいます。だから保管はどうしても室内になります。

りんごと一緒に保管して発芽を抑える実験もしていたのですが、立春を過ぎたころに保存容器の蓋を開けてびっくり。

真っ白な芽が、ニョキニョキと伸びていました。写真の、ひげのように伸びている白いものがそれです。

もはや「芽」というより、ちょっとしたモヤシです。

保存容器の蓋を開けたら、白い芽がニョキニョキと伸びていました。

冬場でも月1程度で、様子を見ていましたが、気がつくとびっくりなことになっていました。

芽かきのときに気をつけたこと

このまま放置すると、芋の水分と養分が芽に吸い取られて、肝心の芋がシワシワのスカスカになってしまいます。

慌てて芽かきをしました。1つずつ、根元からポキポキと折っていきます。

気をつけたのは次の3点です。

  • 芋を傷つけないよう、指の腹でグッと押さえてから折る
  • シワシワになりすぎたものは、食卓用から外す
  • 芽にはソラニンが含まれるので、食用はしっかり取り除く

大量に芽が「収穫」できてしまいましたが、これでなんとか再保管できる状態になりました。

結論から言うと、この状態からでも種芋として使えました。

②4月4日、浴光催芽スタート

4月4日から、浴光催芽(よっこうさいが)を始めました。

北海道の4月は、まだ雪が降ることもある時期です。それでも畑の準備はここから動き出します。

浴光催芽は、種芋を明るい場所に広げて、短くて緑がかった芽を出させる作業です。

暗い場所に置いておくと、まさに冬越し芋のような長くて白い芽が伸びてしまいます。光に当てることで、芽が短くがっちりと育ちます。

やってよかったと感じているのは、こんなところです。

  • 芽が短く丈夫になり、植え付けのときに折れにくい
  • 芽の数をコントロールしやすく、あとの芽かきがラク
  • 萌芽が早まって、収穫時期を前倒しできる
  • 病気や腐れのある種芋を、植える前に選別できる

浴光催芽のやり方【北海道4月版】

やり方はとてもシンプルです。

  1. 種芋をトレーや平らな容器に、芽のある面を上にして並べる
  2. 直射日光が当たりすぎない明るい室内(窓際や縁側など)に置く
  3. 毎日様子を見ながら、4週間ほど待つ
  4. 芽が1〜2cm程度に育ったら、植え付け準備OK

写真のように、育苗トレーに並べているだけです。

4月4日、育苗トレーに芽のある面を上にして並べ、浴光催芽をスタート。

北海道の外植えは5月上旬から5月下旬が目安なので、4月上旬から催芽を始めればちょうどよく間に合います。

寒冷地は植え付けが本州より遅い分、この工程にかける時間をしっかり取れるのが利点です。

③5月、家族総出で5畝づくり

浴光催芽から約1ヶ月後、5月上旬に植え付けました。

畝づくりは2日がかりです。

1日目は長男に手伝ってもらって4畝まで。途中で雨が降ってきたので、そこで中断しました。

翌日、家族みんなで残りを進めて、最終的に畝5本が完成。写真は紐を張って列を出し、鍬で溝を切っているところです。

畝のサイズはこうしました。

  • 長さ:約10m弱
  • 畝幅:60cm
  • 畝間:40cm

品種ごとの割り当ては、メークイン2畝(自家種芋)、きたあかり2畝(購入種芋)、シャドークイン1畝(自家種芋)です。

1日目は長男に手伝ってもらって4畝。途中で雨が降ってきて中断しました。
翌日、家族総出で残りを進めて畝5本が完成しました。

今年は2条植えをやめて1条植えに

昨年は1畝に2条(2列)で植えました。

ところが、これが失敗でした。土寄せをする段階になって、寄せるための土が足りなくなってしまったんです。

その反省から、今年は1条(1列)植えに変更しました。

通路の幅はせまくなりますが、結果的にこの判断は正解でした(土寄せの話は後で出てきます)。

なお今年は畑の面積が昨年より減ってしまい、試してみたかった栽培方法は場所を確保できず見送りになりました。どこか畑が余っていないかな、と本気で思っています。

④2週間で発芽、でも一部が出てこない

5月上旬に植え付けた種芋は、2週間ほどでほとんどが芽を出してくれました。

ところが、いくつかの株だけ芽が出てきません。

掘り起こしてみると、原因は2つに分かれました。

  1. 種芋が腐ってしまっていたもの
  2. 腐ってはいないけれど、まったく発芽の気配がないもの

腐れていた場所に試したのは「無限じゃがいも」です。

無限じゃがいもとは

じゃがいもは1株から何本も芽が出るので、通常は芽かきをして数本に絞ります。

その掻き取った芽を捨てずに、空いた場所へ植え直して育てるのが「無限じゃがいも」です。

今回は4〜5本も芽が出ている株があったので、そこから1〜2本を分けてもらいました。

芽かき苗の植え方

  1. 発芽した株から、元気な芽を1〜2本選ぶ4〜5本芽が出ている株から、元気なものを1〜2本選んで芽かきします。
  2. 根元からていねいに取り外す(小さな根がついてきます)
  3. 空いている植え穴に、10〜15cmほどの深さで植え付ける空いた植え穴に、10〜15cmほどの深さで植え直しました。
  4. たっぷり水やりして、定着を待つ

種芋を買い足さなくても株数を埋められるので、種芋の自給を目指すうえでは相性のいいやり方です。

⑤芽かき苗はちゃんと根づいた/1回目の土寄せ

正直、根づくかどうか半信半疑でした。

でも心配をよそに、芽かき苗はしっかり根づいて元気に育ってくれました。写真の株がそれです。これなら収穫まで問題なさそうです。

心配していた芽かき苗ですが、しっかり根づいて葉を広げてくれました。

このとき、雑草取り・芽かき・芽かき苗の再植え付け・1回目の土寄せをまとめて行いました。

しばらく見ないうちに雑草があっという間に生えていてびっくりしたのですが、家族総出で草取りをしたので、畝5本分が意外と早く終わりました。みんなで作業すると本当に助かります。

そして土寄せ。beforeとafterの写真を並べていますが、株元に土を寄せると畝の形がぐっとはっきりします。

土寄せ前。株元の土がまだ低い状態です。
1条植えにしたおかげで、土寄せがぐっとやりやすくなりました。

ここで効いてきたのが、1条植えに変えた判断でした。通路はせまくても、土寄せがやりやすい。作業効率がぐっと上がりました。

栽培方法を少し見直すだけで、こんなに作業がラクになるんですね。

ちなみに今年は種芋が余ってしまったのですが、芽かき苗をこうして再利用できるなら、最小の種芋で最大の収穫を狙えそうです。とはいえ「発芽しなかったらどうしよう」と思うと、つい多めに準備してしまうのが正直なところです。

⑥開花。品種で花の色が違う/2回目の土寄せ

1回目の土寄せから2週間ほどで、花が咲き始めました。

緑の葉の間からふんわり咲く花を見ると、順調に育っているなぁとうれしくなります。

おもしろいのが、品種によって花の色が違うこと。

  • きたあかり → 赤紫色系
  • メークイン → 淡い紫色
  • シャドークイン → 白色

意外だったのが、中身が鮮やかな紫色のシャドークインです。てっきり花も紫っぽいのかと思っていたら、まさかの白い花でした。

中身が紫色のシャドークインですが、花はまさかの白でした。
淡い紫色の花。品種によって花の色が違います。
花が咲き始めるこのタイミングが、2回目の土寄せの合図です。

品種ごとの違いを畝で見比べられるのは、家庭菜園ならではの楽しみだと思います。

そして、この花が咲き始めるタイミングが、2回目の土寄せのベストタイミングなのだそうです。

土寄せをすることで、新しくできた芋が土から出て緑化するのを防げますし、収穫量アップにもつながります。

このときも長男が畝間の草取りを手伝ってくれました。家族で作業を分担できると本当に助かります。

⑦テントウムシダマシの食害と、3ヶ月目の収穫

順調に来たと思っていたら、葉がレース状になっていました。

テントウムシダマシです。

写真のとおり、葉脈だけを残してごっそり食べられて、株全体が枯れてきました。

葉脈だけを残してレース状に食べられ、株が枯れてきました。

ここまで葉をやられると、地中の芋はどうなっているのか。掘るまで不安でした。

結果は、無事でした。

黒い育苗箱と麻袋に、掘るそばからどんどん積み上がっていきます。

掘り上げた芋をコンテナと麻袋に分けて並べたところ。
葉はやられましたが、芋はしっかり太っていました。
この芋の一部が、また来年の種芋になります。

2回目の土寄せからひと月、種芋の植え付けからは約3ヶ月での収穫でした。

葉が食べられたのは残念ですが、芋がある程度太ったあとの時期だったのが幸いしたのかもしれません。

収穫した芋は、また越冬へ

この芋は、1日くらい風通しの良い日陰で乾燥させてから、30キロの米袋(紙製)に入れて越冬させます。

うまくいけば、来年もまた種芋を買わずに済みます。買うものが1つずつ減っていく感じが、小さな自給自足の楽しいところです。

きたあかりだけは、今年こそ食べ切らずに残せるかどうか。そこがいちばんの課題かもしれません。

北海道で種芋をつなぐ、1年のカレンダー

今回の記録を、時系列で並べておきます。

時期作業
秋〜冬収穫した芋を室内で冬越し保存(りんごを一緒に入れて発芽抑制も試行)
冬の終わり芽が伸びてきたら芽かき。芽は指の腹で押さえて折る
4月上旬浴光催芽スタート。明るい室内で4週間程、芽が1〜2cmになるまで
5月上旬畝づくり・植え付け(畝幅60cm・畝間40cm・1条植え)
植え付け2週間後発芽確認。欠株は予備種芋か芽かき苗で埋める
その後雑草取り+1回目の土寄せ
土寄せから約2週間開花。ここで2回目の土寄せ
植え付けから約3ヶ月収穫。一部をまた越冬させて種芋にする

種芋の自給は、1年に1回しか試せません。だからこそ、失敗も含めて記録を残しておくと、翌年の自分がいちばん助かります。

来年の宿題は、きたあかりを食べ切らないことです。


じゃがいもの越冬がうまくいったかどうかは、また来年の春に書きます。

畑の記録はXとInstagramでも残しているので、よかったらのぞいてみてください。

→ X:https://x.com/hokkaidoijyu

→ Instagram:https://www.instagram.com/ryoon.chisanajikyu_life/

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